水資源の保全
水は地球の大切な資源であり、水資源が陸と海の豊かさ、生物多様性と深く関わっています。当社グループの製造過程において、水は必要不可欠です。水資源の保全に向けて、地域と対話しながら事業活動のあらゆる場面で水の適正な利用に努めています。
また、すべての従業員が安全な飲料水と衛生的な水回りの環境にアクセスできることも重要と考えており、各拠点において衛生設備の導入や節水の啓発に取り組んでいます。
統合報告書 環境課題への取組み [PDF 2.6MB]
廃棄物・水・大気・有害物質データ
ESG データ 環境 廃棄物・水・大気・有害物質
水利用効率の向上
各製造拠点においては、水利用量、排水量、リユース・リサイクル量をモニタリングし、効率的な水利用に努めています。
当社グループの主要事業である非鉄製錬では、製錬設備の冷却、原材料、製品や機器の洗浄などで水を多く利用しており、グループ全体の取水量の90%以上を占めています。水の利用にあたって、地域の水資源の状況に応じて水利用効率の向上と水資源の保全に努めています。三池製錬(株)では、製錬所に隣接する当社グループの他工場それぞれが処理した排水や雨水の一部を、神岡鉱業(株)では、鉱山エリアからの坑内水など比較的濁度の高い淡水を処理後に利用しています。臨海部にあります製錬拠点では海水を冷却工程で用いています。
また、製錬工程の各プロセスに必要な水質と水量を把握し、工程間と工程内の水のリユースとリサイクルを推進しています。例えば、高純度の水を必要とする工程で利用した水を、純度の要求が比較的低い工程で再利用したり、一度利用した水を処理後に同じ工程で循環させ再利用する、といった取組みを行なっています。
水質汚濁物質の削減
各製造拠点では法令や条例を遵守するためにより厳しい自主基準を設けて、排水中の有機物の量を示すBOD、CODなどの水質の状況をモニタリングしています。製錬拠点においては、排水に含まれる重金属などの汚染物質に関して、法令はもとより、行政や地域団体との協定を遵守して排水を管理しています。
処理施設、排水の合流点、放流口など排水のルートに沿って、排水のモニタリング設備を複数設置しており、異常の有無をICTシステムで常時モニタリングしています。各拠点のモニタリング結果をグループ全体で定期的に収集し管理するとともに、汚染物質の排出削減の取組みや技術の共有を図っています。
水リスク状況の把握と対応
三井金属グループは国内外の各拠点について、WRI のAQUEDUCT Water Risk Atlas を使用して、主に水ストレスと洪水災害の観点で国内外の各製造拠点における水リスクの状況を把握しています。水ストレスが「Extremely High(>80%)」または「High(40–80%)」と評価されたのは、インド、中国、インドネシア、タイなどにある一部の拠点です。これらの拠点では主に自動車部品を製造しており、2024年度の淡水取水量は160千m³で、グループ全体の0.5%を占めました。各拠点で水利用量の削減とともに水リサイクル設備の導入などを進めており、水利用効率の向上に努めています。
タイ、マレーシア、中国などアジアの一部沿岸拠点と九州の三池地区(福岡県大牟田市)に位置しています拠点では集中豪雨による浸水リスクがあります。排水路の整備や増強、浸水の防止が必要な設備の嵩上げや、よりスピーディな情報伝達のためのICTシステムの導入などに取り組んでいます。製錬拠点においては、豪雨や洪水発生時、重金属などの汚染物質を含む工場内廃水が外部に流出しないよう、貯水池の増強、排水処理設備能力の向上を進めています。漏洩など緊急時に備えて、排水の自動遮断装置も設置されています。
今後もモニタリングを継続し、水資源の保全と当社操業や隣接地域への影響の最小化に取り組んでいきます。
水ストレス地域での取組み(MKCI Sanand工場)
MKCIのSanand工場はインド西部 のGujarat州に位置する二輪車と四輪車向け排気ガス浄化触媒の生産拠点です。所在地域はWRIの水ストレス評価でExtremely Highとされており、シーズンによって所属の工業団地からの取水制限があります 。
生産活動に純度の高い水が必要で、これまでは工業団地から取水し、使用後の排水を工業排水処理設備で処理後、現地の法律に従って地下浸透処理をしてきました。この処理水を再生利用するために、2022年より、逆浸透膜(Reverse Osmosis膜)を用いて浄化する処理設備を導入しました。この浄化処理設備で排水中の不純物を取り除き、処理水を純水製造装置に供用することで、従来同等レベルの高純度の水が確保できます。この水を生産活動へ投入することで、取水量の削減が可能となる見込みです。また、工業団地からの取水制限が出た場合でも、純水が確保でき、生産に支障をきたすことなく、スムーズな事業運営ができます 。
この処理設備を本格運用の場合、約6千m3/年の削減効果が見込まれます。現在は試行運用中で、今後、処理水品質の安定化と処理能力の向上を目指して取り組んでいきます。
操業鉱山における水の管理