トップメッセージ

ダイバーシティ&インクルージョン実現に向けたトップメッセージ


私たちの「パーパス」を問う。

時代に合った「独自の強みを活かした価値」。
それによって、世の中の環境課題、社会課題を解決し、私たちは成長し続ける。

コロナ危機だけではなく、将来発生する危機に対してもレジリエントな企業体となるために、統合思考経営による変革を推し進めていきます。

新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) によりお亡くなりになられた方々に謹んでお悔み申し上げますとともに、罹患された方々、影響を受けられた方々には心よりお見舞い申し上げます。また、医療従事者をはじめとする感染拡大防止に尽力されている多くの方々、エッセンシャルワーカーとして日常を支えてくださっている方々に心より敬意を表します。

私たち三井金属グループにおいては、従業員やその家族の人命、健康・安全衛生の確保を最優先に、全ての拠点とサプライチェーンに対し迅速に緊急対応を進め、操業の継続を図っています。当社グループの対応策にご理解を賜り、操業への影響の最小化にご協力いただきましたお客様、サプライヤーの皆様や従業員をはじめとするステークホルダーの皆様に、あらためて深謝申し上げます。

未だ収まらない世界的なパンデミックにより感染対策と経済活動の両立が引続き求められる中、激甚化する自然災害、日々深刻さを増す地球規模の環境問題、主要先進国と中国との軋轢など、当社グループを取り巻く事業環境は、なお経営の舵取りが非常に厳しい局面にあると認識しています。

中期経営計画「19中計」の最終年度

私たち三井金属グループは、創業150周年を迎える2024年のありたい姿として、「機能材料、金属、自動車部品の3事業を核に、成長商品・事業を継続的に創出し、価値を拡大し続けている会社」 を2016年に掲げました。このビジョンの実現へ向け、2016年度を初年度とする中期経営計画「16中計」、2019年度からの「19中計」をシームレスに実行してまいりました。

19中計の最終年度となります足下においては、各事業本部が自ら考えて動ける組織を志向する“自律自走”の方針のもと、事業を通じて経済的価値と社会的価値の両立を目指す取組みは、計画通りに進めることができています。

例えば銅箔事業では、5G用途を含めた高速通信機器向けを中心とするキャリア付極薄銅箔 MicroThinTM や高周波向け銅箔の需要は計画を上回って伸長し、また自動車関連部品ではCASE*1/MaaS*2の時代に適合したドアシステム新製品の受注獲得、各国の環境規制に即した排ガス浄化触媒など、社会の利便性向上や環境課題の解決に貢献できる製品展開により順調に事業拡大を図っています。

加えて、金属事業においては、神岡鉱山の地理的条件を活かした水力発電事業、当社グループが有します複数の製錬所を有機的に結び付けた製錬ネットワーク、それを駆使した各種リサイクル原料の増処理など、循環型社会の構築、環境・社会課題に即した事業も三井金属グループの中核事業として成長しています。

2016年のCSR基本方針の策定、社長を委員長とするCSR委員会の発足を皮切りに、本格的に開始いたしましたCSR・ESGの取組みは、当社グループおよびサプライチェーン全体のリスク低減に寄与し始めており、各ESG評価機関の当社取組みに対する評価も向上しています。

*1  CASE:Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared & Services(シェアリングとサービス)、Electric(電動化)の頭文字をとった造語。自動車産業と次世代モビリティを支える4つの技術。
*2  MaaS:Mobility as a Serviceの略。移動すること自体をサービスとしてとらえるという考え。クルマだけではなく、電車やバスといった公共交通も含め色々な種類の交通サービスを、需要に応じてひとつのサービス上で利用できることを目指すもの。

両利き経営の加速

私たち三井金属グループの持続的な成長と中長期的な企業価値向上のためには、環境課題、社会課題の解決に貢献しつつ利益につながる新商品や新規事業を速やかに作り出すことが欠かせません。この「新規事業の探索」と、これまである事業の事業性最大化を図る「既存事業の深化」という「両利き経営」を加速するために、2020年4月に機能材料事業本部の中にあった新商品・新規事業創出のミッションを分離し、本社部門として「事業創造本部」を設立し、さらなる経営資源の投入と大型の事業機会を創出する体制といたしました。

「既存事業の深化」では、DXの導入などによるコスト競争力の強化や拡大戦略の延長線上に位置する新商品開発といった機能は、柔軟かつ迅速な経営判断に繋げるため、従来通り各事業本部に組織し、自律自走の事業運営の中で進めていきます。

統合思考経営の実践

一方で、カーボンニュートラルへの対応をはじめ急速に要求が高まっているESG課題への取組みを経営戦略へと落とし込むべく、CSR推進部門を独立、発展させる形で、2021年4月にサステナビリティ推進部を設置いたしました。また、気候変動への対応をグループ全体で横断的に進めるべく、同部の中に気候変動対応チームも設けております。

経済的価値と社会的価値の両軸の経営戦略を構築することにより、財務・非財務の両面から持続可能な企業となるべく「統合思考経営」への変革を加速してまいります。

よりサステナブルな企業へ、パーパスの設定

世の中の情勢の変化とともに、また各事業本部の自律自走の浸透が進むにつれ、新たな事業機会やリスクの台頭、それらの対応に向けた課題が顕在化してきています。それらに対処するために企業経営の在り方を速やかに考え直すことが必要となってまいりました。

これまでの「勝ち筋」、即ち従来の成功要因が通用しなくなり、先の見えないことを前提とした、変化に柔軟かつ迅速な経営判断が求められています。また、さまざまな変化が交絡し、判断がさらに一層複雑化することが予想されます。

そのような中、2050年の世界を見据え、あらゆる場面で判断の基軸となる私たち三井金属グループの「存在意義(パーパス)」を設ける必要性を強く感じ、その検討を目下進めています。

この時代にあった私たちのパーパスを起点に、そこからのバックキャストによって2030年のありたい姿を描き、来年度からスタートする次期中期経営計画を策定する中で、どのような価値を創造できるか、創出すべきか、しっかりとした方向性を示したいと考えています。



2024年のありたい姿への集成

2050年を見据えたパーパスの設定とともに、並行して来年度からの中計経営計画「22中計」の策定にも取りかかっております。計画詳細を公開できるまでにはまだ時間を要しますが、それぞれの事業部門において次の3か年度で目指すべき方向はおよそ以下のとおりです。

事業創造本部においては、3つのテーマを本部直下の「事業推進ユニット」とし、19中計期間より事業化を進めています。この3つの事業推進ユニットの製品群を確実に上市し、次の中計の中で成長拡大へと繋げます。また、これまでの市場との共創に加え、さらに当社グループの技術とアセットのシナジーがもたらす価値創造活動の強化を進め、環境課題など世の中のニーズに対して事業機会を創出することに注力していきます。

機能材料事業においては、Society5.0*3を実現する5G、IoTや、CASE、MaaSによる各市場の成長をしっかりと捉え、また、四輪車向けGPF*4をはじめとする環境貢献技術の差別化を通じて環境課題解決に貢献するとともに、「粉体」、「回路材」、「素形材」の技術シナジーを発揮し、事業機会を新たに獲得していきます。

金属事業では、亜鉛製錬、鉛製錬の多様なプロセスに、2020年に新たに加わりました銅製錬(日比製煉所)を結び付けた製錬ネットワークを強化し、複雑化するリサイクルニーズへの対応を進めていきます。

自動車部品事業においては、CASE/MaaSにつながるドアシステム製品の開発、供給へ資源を集中するとともに、マザー工場である九州工場で構築しました「ICT化された製造実行システム」を海外主要拠点へ展開することで品質とコスト競争力の強化を図ります。

また、グループ挙げての取組みとして、環境貢献製品制度の運用に着手いたしました。自社内の工程にとどまらず、お客様の工程、消費プロセスにおいても、省エネルギー、省資源、リサイクル促進につながる新製品、新事業の創出を進めます。

*3  Society 5.0:第5期科学技術基本計画において日本の未来社会の姿として提唱された、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会を目指すもの。
*4  GPF:Gasoline Particulate Filter ガソリン・パティキュレート・フィルター。欧州や米国のガソリン車排出ガス規制に対応する浄化機能。また、その機能を有したフィルター装備の触媒。

カーボンニュートラルへの取組み

私たち三井金属グループは、非鉄金属をはじめとする多くの製品を世の中に安定的に供給するとともに、そのために多くの資源とエネルギーを消費し、CO2の排出を伴う事業を有しています。環境への負荷を低減すべく、また自身の競争力強化のために、永年にわたり省エネルギーに取り組んでまいりました。

2020年には経団連のチャレンジゼロに賛同し、4つのテーマを具体的に掲げ参加しています。私たちの有する技術を活かし、チャレンジゼロの取組みを通じて多様なパートナーとの連携も模索し、温室効果ガス削減、カーボンニュートラルへの貢献を目指しています。 また同じく2020年には、環境省殿の支援を受けてTCFDシナリオ分析作業にも着手いたしました。金属事業での分析を終え、次いで機能材料事業へと展開しております。気候変動が当社グループの事業活動に与える影響を掌握し、リスクマネジメントへ落とし込むとともに、経営戦略との統合を進めていきます。また、TCFD提言に沿った情報開示も継続してまいります。

温室効果ガス削減に関します日本政府のコミットが、2050年のカーボンニュートラル、2030年排出が2013年比で46%削減へと進みましたことにともない、当社グループの排出削減目標も政府方針に即して2050年カーボンニュートラルの達成を目指してまいります。

これまでに掲げております2030年度までの削減目標「事業活動におけるCO2排出量26%削減(2013年度比)」については、現時点では達成可能と見込んでいます。日本政府の新たな目標値を受け、工程改善による省エネルギー活動の強化や積極的な環境関連投資を推進する制度を新たに設け、追加削減方策を検討しております。次期中期経営計画「22中計」の中で具体的な打ち手として織り込む予定です。

企業価値最大化に向けた仕組みづくり

各事業本部の自律自走の方針の下、本部ごとに機能強化に着手し、本部内ビジネスユニットごとに目指すべき収益指標、効率指標を定め、本部内での「経営資源の再配分」をこれまで進めてきました。

これからは三井金属グループ全体での経営資源再配分やシナジー効果追求の取組みなど、グループ全体としての価値最大化に向けた「総合力(求心力)」を、私たちのパーパスを基軸として強化していきます。

また一方で、事業本部が自律自走を進めるにつれ、キャリア採用など新たな人材確保のスタイル変化、働き方の多様化ニーズが高まるなど、採るべき人材戦略の方向性が見えてまいりました。

多様な人を惹きつけるための「働きやすさ」や働きたいと思う「場」、そして自己表現できる「働きがい」を提供する仕組みづくりを進めていきます。そして将来、組織の中核となるミレニアル世代、Z世代を意識した全ての従業員の働きがいを支える人事制度を検討いたします

情報共有、情報管理のシステム高度化とスマート工場化の展開も図ります。2020年4月に「ICT統括部」を新設し、全社ICT戦略の立案と企業集団のICTマネジメントプロセスを統括し、時代に即応したデジタル・トランスフォーメーションを推進する体制といたしました。全社ICT戦略の実行により、「研究開発力」、「ものづくり力」の競争力強化と、DXを実現させる「人材力」の獲得を進めます。

ステークホルダーの皆様へ

この不透明極まる激動の時代に対応できた企業のみが、生き残り、成長できます。「変化を楽しむ」くらいの気持ちと気概をもって、活かすべき機会、低減すべきリスクを明確に捉え、経営の舵取りを行なってまいります。当社グループがこれまでに培ってきました独自の技術を活かしながら、この時代にあった私たちの「存在意義(パーパス)」を新たに定義し、長期的な視点でどのような価値を創造できるか、世の中のサステナビリティにどう貢献していくか、しっかり方向性を示していきます。

創業150年を迎えます2024年は申すまでもなく、永続的な未来をステークホルダーの皆様とともに、笑顔で迎えられる経営を目指します。引続き三井金属グループの活動へのご理解とご支援を宜しくお願い申し上げます。

 

 

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