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基礎評価研究所

最新技術と古典的手法を融合させた分析・評価で、
マテリアルの知恵を活かす三井金属グループの基礎を支え続けます。

近年の材料開発には、微小な領域から材料全体まで、様々な情報取得が必要不可欠です。そのため、分析・評価技術も常に進歩し続けなければ、最先端の素材を生み出すことはできません。

基礎評価研究所は、分析・評価技術に特化したコーポレートラボとして、全社のものづくりと製品開発を支える役割を担っています。

私たちはこれからも新しい素材の機能と特性を明らかにするための技術を磨き続け、三井金属グループの現在と未来をしっかりと支えていきます。

分析装置の一例の画像

分析装置の一例:FE-STEM
高い分解能で物質の形状や構造、組成、電子状態を解明することができる。

分析・評価技術の紹介



ICP-OES, ICP-MS

ICP(高周波誘導結合プラズマ)-OESは、プラズマ中に溶液試料を導入し、励起・発光した各元素の発光強度を測定し、含有量を求める装置です。また、ICP-MSは、イオン化した試料を質量ごとに分離しイオン数を測定し, その含有量を求める装置です。
基礎評価研究所では、元素の含有量や物性を加味し、装置を使い分け、より正確な分析値を提供することにより、全社の研究・開発に貢献しています。

基礎評価研究所における分析例
ICP-OES:原料、製品中の金属元素の定性分析、定量分析
ICP-MS:原料、製品中の超微量元素分析







XRF

XRF(蛍光X線分析装置)は、X線管球から発生する連続X線を試料に照射し, 試料中に含まれる元素から発生する二次X線の固有(特性)X線を測定する装置です。迅速かつ非破壊分析が可能な装置であるため、基礎評価研究所だけでなく、三井金属の各拠点でも有害元素のスクリーニングや工程管理に使われています。

基礎評価研究所における分析例
・製品中の貴金属定量分析
・原料、製品の定性分析

ガス分析装置

ガス分析装置は、固体試料を高温で加熱し、ガス化した元素(O、N、C、S)を赤外線検出器や熱伝導度検出器で測定する装置です。
基礎評価研究所では、2種類のガス分析装置を使用しており、製品や開発品の酸化度合いやコンタミネーションの把握に活用されています。

基礎評価研究所における分析例
・製品、開発品の定量分析

 

 

FT-IR (フーリエ変換赤外分光光度計)

FT-IRは、試料に赤外光を照射し、透過もしくは反射した光量を測定する装置です。化合物の部分的な構造を推測することができます。
基礎評価研究所では、様々な測定手法を駆使することで、試料の特性に応じた測定が可能です。そのため、異物解析や材料特性評価のファーストステップとして大活躍しています。

基礎評価研究所における分析例
・金属表面の有機物、異物の構造解析や定性分析

 

 

顕微Raman分光装置

顕微Raman分光は、試料にレーザーを照射し、発生したラマン散乱光を測定する装置です。試料の分子構造同定や結晶性を評価することができます。非接触かつ非破壊で、固体(金属除く)、液体、気体の測定が可能です。
基礎評価研究所では、非晶質材料の結晶性評価やミクロンサイズの微小異物に対する構造特定などに活用しています。

基礎評価研究所における分析例
・非晶質材料、有機物、微小異物の構造解析や定性分析

 





ガスクロマトグラフ(GC, GC-MS)

GCは、液体や気体に含まれる成分を気化させ、カラムで分離し、様々な検出器を用いて成分の定性や定量を行う装置です。無機ガスや有機成分など、幅広い種類の成分を測定することができます。 検出器に質量分析計(MS)を用いることで、成分の組成式を推測することができます。
幅広い種類の成分を測定可能であるため、基礎評価研究所だけでなく、三井金属の各拠点でも工程管理や規制物質の評価に使われています。

基礎評価研究所における分析例
・金属表面の有機物の定性分析
・工程中発生ガスの定性分析
・規制物質の定性と定量分析







 

液体クロマトグラフ(LC, LC-MS)

LCは、液体サンプルをカラムで分離し、様々な検出器を用いて成分の定性・定量を行う装置です。固体サンプルでも、抽出などの前処理を行うことによって測定が可能です。検出器に質量分析計(MS)を用いることで、成分の組成式を推測することができます。
基礎評価研究所では、主に試料中の有機成分を分析する際に使用します。また、幅広い種類の成分を測定可能であるため、基礎評価研究所だけでなく、三井金属の各拠点でも工程管理や規制物質の評価に使われています。

基礎評価研究所における分析例
・工程液中の添加剤の定量分析
・製品表面の有機物の定性分析

 

核磁気共鳴分光分析装置(NMR)

NMRは、ラジオまたはテレビで用いられる波長の電波を磁場中の試料に照射したときに試料中の特定の元素から出る微弱な電波を検出し、その元素周辺の情報(化学形態、分子運動、拡散など)を得るための装置です。元素を選択できるため、物質に含まれる不純物の元素周辺の構造解析も可能です。また、液体、液晶、単結晶、微結晶、非晶質粉末など様々な状態の物質にも対応しています。
基礎評価研究所では,溶液中の有機物から固体材料の化学形態解析まで、幅広い分野の材料に対して測定しており、機能発現のメカニズム解明などに貢献しています。

基礎評価研究所における分析例
・触媒活性点周辺の構造解析
・有機物の同定

 

原子分解能分析電子顕微鏡(FE-STEM&EDS, EELS)

FE-STEMは、高い分解能で物質の形状や結晶構造を観察・評価できる装置です。また高性能なEDSやEELSを搭載しているので、元素分布、組成、電子状態も解明できます。基礎評価研究所で所有しているFE-STEMは、サブオングストロームの空間分解能を持ち、原子レベルの観察・解析が可能となっております。
基礎評価研究所では、主に試料の形状や組成分布、結晶構造解析、化学状態解析などを行うことで、日夜開発される新規材料の物性を評価しています。

基礎評価研究所における分析例
・形状・形態の観察、微粒子の三次元分布評価
・寸法評価(薄膜厚さ、粒子寸法等)
・結晶性評価(結晶粒サイズ、配向性、結晶構造同定)
・異物・欠陥評価(形態観察、元素分析、応力・歪評価)
・物性評価(試料の電子状態、化学結合状態の測定)

 



光電子分光装置(PES)

PESは、固体にX線や紫外線を照射し、光電効果によって外に飛び出した電子の運動エネルギー分布を測定し、固体の電子状態を調べる装置です。この装置では、試料表面の数nm~30nm程度の深さに存在する元素の種類や存在量、化学結合状態を評価できます。またArイオンを用いたイオンミリングによって最表面からの深さ方向分布を測定することも可能です。
基礎評価研究所では、複数のエネルギーを有するX線(XPS,HAXPES)や紫外線(UPS)を用いて、試料の元素種や価数、結合状態評価などから機能発現メカニズムを明らかにし、新規材料の開発を支援しています。

基礎評価研究所における分析例
・試料表面の化学形態・生成物解析析
・試料の深さ方向の元素・化学状態情報取得
・大気非暴露制御下での試料導入・評価







X線回折装置(XRD)

XRDは、試料に一定波長のX線を照射した際、物質の原子・分子の配列状態によって散乱・干渉した結果起こる回折現象を用いて、原子・分子の周期構造を解析する装置です。
測定できる試料は多岐にわたり、かつ結晶構造や化合物の同定、ナノ粒子サイズの解析など多くの情報を得ることができるため、新規の材料開発には不可欠な評価手法として日々活躍しています。
基礎評価研究所では、複数の仕様のXRDを所有・稼働させており、多岐にわたる評価手法を用いて、多種多様な可新規開発や課題解決に貢献しています。

基礎評価研究所における分析例
・試料の結晶構造解析(相の同定、定量)
・試料の結晶性・配向性の評価
・歪量・応力の評価
・室温から1500℃までの構造変化(In-situ)評価
・膜試料の密度・厚さ測定(XRR)
・数nm~数十nm程度の構造(大きさ、形状)評価(SAXS)

 

所在地・アクセス

会社名 三井金属鉱業株式会社 基礎評価研究所
Mitsui Mining & Smelting Co.,Ltd. Materials Analysis and Exploration Center
住所 〒362-0021 埼玉県上尾市原市1333番地2
TEL 048-775-3405
E-mail kisoken_ageo@mitsui-kinzoku.com

交通のご案内

  • 上尾駅東口よりタクシー約7分
  • 上尾駅東口より朝日バス 「東大宮行」乗車、「南平塚」にて下車
  • 東北自動車道岩槻I.Cから約10km
    国道16号線(東大宮方面約7km)ー原市(中)交差点右折-県道5号(北上 約3km)ー上尾運動公園入口交差点を左折後すぐ

組織図

組織図の画像

沿革

1949年(昭和24年)12月 製錬部研究課として、東京都目黒区に設立
1951年(昭和26年)12月 東京研究所と改称
1959年(昭和34年)4月 東京都三鷹市に移転、中央研究所と改称
1981年(昭和56年)5月 研究開発本部制をしき、電子材料研究所を発足
1982年(昭和57年)6月 中央研究所、電子材料研究所、上尾技研工場、資源研究室が現在地(埼玉県上尾市)に移転
1987年(昭和63年)7月 研究開発本部から事業推進部(マイクロサーキット、精密材料・加工)を分離
1989年(平成元年)6月 総合研究所と改称し、中に基盤技術研究所および応用技術研究所を発足
1993年(平成5年)6月 基盤技術研究所、応用技術研究所を廃止し、総合研究所に一本化
2003年(平成15年)4月 新商品・新規事業の創出をより迅速化することを目的とし、4センター制に改組
2005年(平成17年)4月 研究・開発からの事業化をより効率的に行う組織として、技術統括本部内に総合研究所と並列する形でCTOプロジェクトチームを設置
2009年(平成21年)4月 事業環境の急激な変化に対応できる様に、グループリーダー制からテーマリーダー制へ移行し、あわせて研究開発センターと分析技術統括センターの2センターに改組
2011年(平成23年)7月 全社的な組織改編によりコーポレートラボとして全社テーマに取り組む
2014年(平成26年)4月 総合研究所を分割し、分析・評価技術に特化した基礎評価研究所として発足

原子分解能分析電子顕微鏡,X線回折装置(XRD)

高速</液体クロマトグラフ(HPLC),微小断面作成・観察装置(FIB)

レー</ザーラマン分光装置(Raman),微小部X線光電子分析装置(μ-XPS)

磁気共鳴装置(NMR),走査オージェ電子顕微鏡(SAM)

飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS)

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