基本的な考え方
三井金属グループは、通信・エレクトロニクス、自動車など多様な分野で事業を展開し、グローバルにお客様の信頼に応える品質を追求してきました。各事業分野、国内外の各拠点での品質への取組みを貫く規準として、「品質基本方針」を定め、安全で優れた品質の製品・サービスを提供するために全員で共有し実践しています。
2024年にグループ会社で品質不適切行為が発生したことを重く受け止め、再発防止と信頼回復に向けて全社を挙げて取り組んでいます。
私たちはお客様の声を財産とし、「最適品質」と「お客様満足」の実現を通じて、社会から信頼される企業を目指します。
品質基本方針
三井金属グループは、お客様に満足していただける製品・サービスを提供するために、この品質基本方針を一人ひとりが共有し、実践します。
- 市場の声、お客様の声を財産と考え、そのニーズを先取りし、最適品質とお客様満足の実現に取り組みます。
- 社会貢献を目指し、マテリアルの知恵を活かした製品・サービスを創発・提供します。
- 品質を業務の質ととらえ、全員参加とスピード重視で品質向上を図ります。
- 製品・サービスに関するコンプライアンスを徹底します。
- サプライチェーンを含むすべての事業プロセスで安心・安全を最優先とし、品質と安全について正確かつ適切に情報を公開します。
2022年4月改定
品質保証体制の強化
グループ全体の品質保証機能の統括と強化を図るため、2018年に本社機能として品質保証部を設置しました。各事業部門、各グループ企業の品質保証に係わる企画・推進、品質保証の実効性の監査、品質保証人財の育成、品質保証に関する社内外情報のグループ内への発信などを担っています。
さらに、グループ内の品質情報共有化を図るため、月例の「品質保証委員会」を通じて全社的な方針・体制を審議し、各事業部・グループ会社との連携、監査および教育を推進しています。
また、年2回「品質保証部門長会議」を開催し、各拠点の課題や改善事例を共有し、グループ横断的な品質文化の定着と、品質保証部門間の連携強化を図っています。
三井金属グループ 品質保証体制
品質コンプライアンス体制の強化
三井金属グループは、マネジメントシステムの強化、試験・検査データの信頼性向上、事業ラインの品質コンプライアンス自主点検や監査の実施等を盛り込んだ、独自の「品質保証ガイドライン(QAGL)」を制定し、これに基づき、品質コンプライアンス体制を整備しています。
自主点検・監査を通じて、試験・検査データの信頼性や、保証する品質と技術レベルの整合性を確認しています。また、検査データのデジタル化を推進し、2025年度中に国内全拠点でシステム導入を完了予定、その後順次海外拠点へ展開します。さらに、リスクベース評価※に基づく重点監査を実施し、再発防止と未然防止の両面から品質コンプライアンス体制の強化を図っています。
※リスクベース評価:各指標からリスクの大きさを評価するもの
(左)海外拠点での監査風景(右)国内拠点での監査風景
品質マネジメントシステムの認証取得
各事業部門は事業特性に応じた品質マネジメントシステムを構築・運用しています。「ISO9001」は国内外の38拠点、「IATF16949」は17拠点で取得しています(2025年9月末時点)。今後も継続的な改善を通じて、国際水準の品質保証体制を維持・向上させてまいります。
品質マネジメントシステム 認証取得拠点数
※2025年度の認証取得拠点数は2025年9月末の実績です。
品質月間の取組み
品質コンプライアンス意識の浸透を目的に、毎年11月を「品質月間」として全従業員が参加する取組みを実施しています。2025年度は、パーライト社の事例を踏まえ、以下の活動を重点的に実施しています。
- トップメッセージおよび特別調査委員会※委員長メッセージの周知
- 品質保証責任者と現場担当者による対話会
- 品質コンプライアンス教育(パーライト社事例学習を含む)
- 管理職向け教育動画のアーカイブ配信
※三井金属パーライト株式会社品質問題にかかる特別調査委員会
品質管理教育と品質コンプライアンス意識の向上
三井金属グループでは、品質保証力の向上と品質コンプライアンス違反の再発防止に向け、QAGLおよび品質教育を体系的に整備し、階層別教育に組み込んでいます。
新入社員から専門職層まで、全従業員が品質マインドを共有し、実践力を高められるよう、品質向上に資する管理技術、統計、IE、プロセス思考などの教育を、集合研修およびMLP※を通じて実施しています。
※MLP:三井金属オンライン学習プラットフォーム

国内拠点での研修風景
三井金属グループでは、人材の育成、職場の活性化、業務改善を目的として、小集団活動(GK※)に取り組んでいます。GKでは、企業の体質改善に寄与し仕事の質の向上をはかると共に、働くひとり一人の能力を発揮し、創造の喜びを感じさせる、真の活力ある職場を創造するための「ひとづくり」を、目指しており、日本国内はもとより、近年では海外拠点においても活動が浸透しています。
※GK:三井金属ではQCサークル活動のことを「グループ活動(GK)」と呼んでいます。
(左)2024年度GK発表大会(右)中国国内のGK会合時における現物確認の風景
品質マネジメントの結果
2024年、当社グループ会社での品質不適切行為が判明しました。グループ全体で再発防止に真摯に取り組んでいます。
不適切行為の再発防止へ向けて
三井金属パーライト株式会社で発生した品質不適切行為を受け、社外有識者を含む特別調査委員会(委員長:井上宏 社外取締役)を設置し、調査結果を2025年4月4日に公表しました。
当社はこれをグループ全体の課題として真摯に受け止め、以下の4つの柱で再発防止策を推進しています。
- 品質保証体制および監査体制の強化
- 品質保証ルールの見直しと教育の徹底
- 部門間連携の強化と通報制度の有効化
- 「品質は経営の最優先課題」とする企業文化の再構築
「目先の納期や利益よりも品質を優先する」 この方針のもと全体一丸となって信頼回復に取り組んでいます。
また、今後、上述の4月4日を「品質の日」と定め、今回の不適切行為の戒めと、品質コンプライアンスの一層の浸透を図る活動を展開してまいります。
法令違反・製品事故・リコール
三井金属グループ内では、2024年度、三井金属パーライト株式会社において土壌改良資材品質表示基準(地力増進法)に関わる違反がありました。この法令違反については、監督省庁への報告、是正処置は完了しています。
これ以外の製品では、製品安全4法および製造物責任法に関する違反・製品事故・リコールはありませんでした。
製品安全情報の提供
三井金属グループでは、仕様書や技術資料、SDS等を通じて、製品安全情報をお客様に提供しています。
2025年度からは、お客様や社会に対し、製品に関するより適切な情報を提供するため、「製品情報提供ガイドライン」を国内拠点より運用開始し、適切な情報提供体制を構築しています。
このガイドラインでは、資料提供に加え、人権尊重、安全衛生、環境課題などの社会課題に対する対応度をチェックし、常に正確で十分な情報を提供することを目指しています。
また、環境に配慮した製品創出のためのガイドラインも、現在策定を進めており、2026年度から運用予定です。
お客様品質クレームの推移
国内の13事業における品質クレームの発生状況は、2024年度においても、各取組みの結果、前年度比減となっています。
クレーム件数の状況
* QA懇談会実施拠点での確認件数。2013年度を100 とした場合の数値化。
統合報告書 品質保証の取組み [PDF:6.3MB]